撮影:かわいかずのり
[プロジェクトGとは]
プロジェクトGは日本・アメリカ・ドイツ・ナミビア4か国の国際共同制作プロジェクトです。
2011年ベルリン演劇祭の国際フォーラムで出会った5人の仲間が、お互いの母国を訪問・滞在してその「日常生活」を肌で体験・交流し、その経験を通して作品制作を行うことを目的に2011年5月から活動してきました。
オープニングとなる第一回は日本で、2012年6~7月の三週間かけて東京・福島に滞在し行われました。
プロジェクト全体のテーマは「Glück(ドイツ語で「幸せ」)」です。
[ドイツ編にむけて]
日本編を終えて、私たちは9/2~9/15の二週間マールブルクに滞在することになりました。
グリム兄弟が過ごしたこともある、とても素敵な街です。
日本での三週間で改めて分かったことは、人にはそれぞれ現状に至る背景・過去・歴史があるということでした。
他人が見たら奇妙なこと・不可解なことでも、その後ろにあるものを体験してきた本人にはそれが「普通」でしょう。
けれど、その「見る」側も同様に自身の背景・過去・歴史があるわけで、それを「普通」と見ることは容易ではないでしょう。
さて、私達は日本での三週間・ドイツでの二週間という体験を共有し、そして決して共有できない背景・過去・歴史をそれぞれ抱えています。
私達はこの共有可能/不可能の狭間で、何を手にすることができるのでしょう?
いよいよドイツ編のスタートです!
*無事終了しました。ご来場・ご協力頂いた皆様、ありがとうございました。
by坂田尚SakataNao
9月4日
私と寺尾さんのつぶやきって、どんな差異が出るんだろう??惚気ではなくいつも一緒にいるし、お互いメソッドをくぐった身だからか身体もそっくりらしい(ボディワークの先生にいつも面白がられる)。海外から手軽に更新できる方法としてTwitterを選んだだけだったけど、並べるの面白いかも。
9月6日
なかなか難しいですね。やはりドイツの劇場で公演ということで、アネリーやブライアンは今手元にあるマテリアルでどう作品にするかに集中したい。でも私や寺尾さんから見ると、そのマテリアルの多くがステレオタイプな日本なので、もっと資料を集めて議論しなければと思ってしまう。
そこで、せめて「私たちは理解し合えない」ということに注目したいと言うのですか、この「ない」に着目するという考えが不思議なくらい伝わらない。あくまで何を「獲得」したかを組み合わせよう、それがクリエイティブだと考えるようなんですね。
この「伝わらない」というのが、本当に辛く、そして頻繁に現れるわけです。正に「伝わらない」。
9月8日
今回ドイツ編の会場となるのはマールブルクという街で、街全体がとてもメルヘンなのです!グリム兄弟も住んでいた街で、あちこちにグリム童話にちなんだオブジェが作られています。
精一杯楽しんで、たくさん吸収して帰りたいと思っております。そんなわけで、オフだったはずの今日は今から構成会議です。
9月10日
作品について考えていく過程で面白いのが、ペース配分を考える際に、私は見せ場の配置とか・エネルギーの高低とその推移で見るのですが、アネリーやブライアンはあくまでネタがポジティブかネガティブか、それをどう推移させていくかで見るということでした。本当に感覚が違う。面白い!
9月12日
今回の公演、実はマールブルクの劇場のプログラムにばっちり載る公演なので、事前に一度芸術監督に見せなければならず、今日がその日だったんです。別に独裁的な方ではないので、竹刀が飛んでくるとか、そういうことはないのですが、やっぱり緊張しました。
無事に本番に向けてのGOは出ました!ただ、コンセプトに対して、一つ一つのアイディアが上手く機能しているかどうかに関して、いくつか指摘を受けました。有難いです。明後日の本番までに、更に良いものにしていきたいです!
余談ですが、今回寺尾さんも私も台詞が日本語・ドイツ語・英語の三カ国語です。やるしかない!
9月13日
いよいよ明日、日本時間で今日、本番です!今夜の通しはとても上手くいきました!頻繁に来てくれていたマールブルク劇場の俳優・スタッフさんにも「いけるよ!」と言って頂きました!明日のワンステージ楽しんできます!
寺尾さんがえひとな料理教室を展開中です!!!
→
寺尾さん、すごい!すごいよ!!
9月14日
無事終了しました!大成功です!!!とりあえず、寝ます。写真はドラマトゥルクのアレックスからもらった葉巻と写真。ブレヒトとハイナー・ミュラーとおそろいの葉巻です。感動です!
帰国後
無事帰国致しました。これにてプロジェクトGドイツ編は終了です。お世話になった皆様ありがとうございました!
Annelie,Brian,Natasha thank you so much!See you!
(@ne65wのツイートを元に構成した日記です。)
by寺尾恵仁TeraoEhito
9月2日
マールブルク到着しました。上海乗り換えの22時間はなかなかきつかった…。
9月4日
今夜は観劇予定の公演が中止になったので、夕食を作りました。鳥肉と野菜の味噌汁、茄子の田楽、カッテージチーズ冷奴など。
9月5日
今日は熱弁を振るって疲れました。ほんのちょっぴりでも何が問題なのか伝わっているといいのですが。
9月6日
あと二十年くらいドイツに住んで、二十倍くらいドイツ語ができれば、少しは違う事ができるでしょうか?
いや、自分がもっと〜できれば状況は改善すると思うのは、やはり違う。もうそういう所で無理をするのはやめたんじゃないか。
9月7日
アネリーの同僚の家で、お茶と夕食をご馳走になりました。5時間たっぷり、ドイツ語で楽しくお喋りできたのは初めてかもしれません
9月10日
全日程の三分の二を消化。そろそろ疲労困憊。
9月12日
つぶやく元気もないとつぶやいてみる。
9月13日
えひとな料理教室の時間です!今日は本番前日の稽古を終え、疲れきっていてもできる料理です。
用意するものは、日本から持ってきた醤油と鰹だし(粉末)、たまたまあった缶詰の豆とびんづめのたけのこです。
それらを全部鍋の中に入れ、醤油と少々のワインで味を調え、すまし汁…ということにします。
次に、大きめのフライパンでじゃがいもを炒め、そこに何故かあったインディカ米を投入し、水・ワイン・トマトのざく切りを加えて、塩コショウで味を調え、蓋して煮ます。
冷蔵庫に余っているソーセージは適当に炒めて、添えればいいんじゃないか?
以上、えひとな料理教室でした!
こんな感じでした。大好評でした!
ところでえひとな料理教室は、「Echte Kueche」と名付けてにわのとりで開催予定。
9月14日
劇場の予定表に日本語が!いよいよ今日本番です。頑張ってきたいと思います。
終わりました!全員怪我もなく、内容も満足のいくものだったと思います。まずは、良かった良かった。
そして、見に来てくれた劇場のドラマトゥルクからのプレゼント。素敵すぎて、泣きそうです。
帰国後
無事帰国しました。
ピクルスを作ってみました。胡瓜を入れると途端におなじみの香りになるのが不思議。
(@echt_tのツイートを元に構成した日記です。)
共催:ヘッセン州立マールブルク劇場
協力:6.5/w
カバレット・バガボンド
ウィンドゥク室内劇場
(順不同・敬省略)