第六回(2013年11月16日)

T 東京国際映画祭は、あの、一本だけ見られましてですね。

I ああ!

S すごい(笑)

I 見たかったんすよ!

W 何見たの?

T ウルリッヒ・ザイドル監督っていう、オーストリアの監督、の

W うん。

I 超見たかった!

S (笑)

T パラダイス三部作っていうのをやってまして、その第一部だけ見たんですよ。えーっとパラダイス三部作ってのは、それぞれ副題が、えーっと、愛と神と希望という副題がついてまして、ま、これはあの、キリスト教の三つの美徳なんですけど

W うんうん。

T で、その副題について何をやるかって言うと、この、非常にこうアブノーマルなセックスについての、ある一家の、一人ずつにこう、スポットを当てて、三部作を作るっていう。で、そのまず、その第一部の「愛」では、えー、非常にこうでっぷりと太った、こう、くたびれた中年女性、初老の女性が、ケニアかどっかに行って、で、そこで、男をあさる。金であさる。

W うん。

T でも、こう、もしかしたらお金じゃなくて、なんかほんとに

一同 (笑)

T 心と心で付き合える人がいるかも知れない、みたいに思って、次々男をあさるんだけど、でもみんな、口ではいろいろ言うけど、あの、すぐ、あの、「実は父親が病気で」とか「妹が病気で」とか言いだす。

W うんうん。

T で、金を、もうそのたびに金をはらっていくんだけど、毎回絶望して、また新しい男をという、それが非常に淡々と、こう、けっこうなんか、こういう言い方は、あれかも知んないですけど、日本映画みたいにこう、間を使うのがすごく上手くてね。なんか、パッとこう、ビーチのシーンが映って、警備員がこう、ゆーっくり歩いていく。それだけとかね。その白人たちが、こう、非常に、なんて言うの、パラソルで、こう、日光浴してて、その一方では黒人の物売りたちがこう、じーっとこう待ってるとか。ま、そういうのをこう、ぐーっと映して、そういうこのね、あの、不思議なこう空気の、映画でした。

W ふーん。

T 二部・三部も見たかった。

W 一部で二時間ぐらい?

T そうですね。二時間、うん、二時間。ウルリッヒ・ザイドルってなんかけっこう割と、こう、セクシャルな、スキャンダラスな、映画を、作る人のようですけど。

W なんか、公開、一般公開されてるのあるの?

I えっとね、『ドッグ・デイズ』っていうやつが、

W ああ。

I 映倫を通さないで公開されている。

S ええーっ!

T 『ドッグ・デイズ』も、なかなか、エグそうな

I 『ドッグ・デイズ』はね、だからね、すごかったですよ。イメージフォーラムで上映したんだけど。あれ?これ、上映で、タイトル出たときに、映倫のマークついてない、って。

一同 (笑)

I で、中身見たら無修正、という。

一同 おおー!

I で、ソノ描写がやっぱあるんですけど、完っ全に無修正の、その、行為が映っているという。

S へええ。

T パラダイスの方は、一応修正かかってました。

W まあまあ、それは

T ***とか、***がパッとボケる。あー、ボヤかす。

W ああ。

I いや、その、『ドッグ・デイズ』は完全に、***ってるやつで(笑)。

S・T (爆笑)

I で、***ってるやつは、あのね、かつてゴダールが、『映画史』で、その、コラージュ的に入れたのは、僕見たことあるんだけど、さすがゴダール、無修正で、いけるんだ!みたいに思ったんだけど、(『ドッグ・デイズ』の場合は)映倫を通さないという手があったか!って。

W うん。

S (笑)

T その手があったか!いや、で、その、オーストリア、ですから、ドイツよりはるかにこう、カトリックで、ガチガチな保守なんですよね。

W ああ。

I はいはい。

T 特に性愛に関しては。その状況では、日本では想像できないぐらいの挑発性が多分、あるだろうと。

S でも、オーストリアってさ、その割になんか挑戦したくなるのかさ、妙にスゴい作家が、ポコポコいるような。

T まあ、イェリネクもね。

S そう。

T あの、ポルノ作家と呼ばれて久しい。

I ハネケもそうだしね。

W そうだね。

S なんか、こう、締め付けが厳しいから、

W まあ、抑圧が厳しいほどなんかね、ま、それはその分欲望が

一同 欲望が

W 渦巻くみたいな。

一同 そうそうそうそう。

W 浮上するみたいなのはあるよね。

T まあ、ハネケはあの『愛、アムール』に関しては、非常にこう、非常に、ある種禁欲的に作っていたけど。

W うん。そうだね。

S ヤバイね、なんかもう、怖くて他の作品が見られない。

T 怖くて見られない(笑)

S She She Popも行かれたんですよね?

I She She Pop行った。まあ、出てる人たちは、かつて、その、東西のベルリンで暮らしてた。東三人、西三人。で、その、自分の、1970年代前後なのかな?それぐらいの、ま、60年代後半ぐらいの生まれの人たちなんだけど、若い人は76年(生まれ)とかぐらい。

S うんうん。

I で、まあ、自分たちの生い立ちを語っていくってやつなんだけどさ。で、面白かったのがね、その何、最初こう、えーとね、全部ね、東の人、西の人、東の人、西の人、東の人、西の人っていう組み合わせなんですよ。それぞれ、年齢的には、ちょっと近い組み合わせなんですよ。

S おお。

I あの、こう、テーブルがあって、こっちとこっちで座ってるんだけど、最初ね。で、ちょっと距離があるのね。で、だんだん、話が進んでいくに従って、距離が、隣り合って座ったり、近くなっていく。その一方で離れて行って、相手が変わっていったりとか、っていうようなやり方で、ちょっと、なんて言うの、

S ワールドカフェ的な?

I そうそうそうそう。で、だけど、その演出としてね、おそらく、ま、そこは、あの距離がある、そのそれぞれの関係が。近付いてみたり、離れてみたりっていう、ところを、ちょっと、ま、盛り込んでみましたっていう。

W (笑)

S 盛り込んでみました?

I そこはけっこうね、ああ、うんうん、なるほどなあと。ドキュメンタリー演劇ってこういう風になるよねっていう、感じ。見られていろいろなことをする。で、思ったのが、フランス語でhistoireは、物語と歴史と一緒なんですけど、物語と歴史が一緒に語られるっていう。非常に良かったですよ。

T She She Popのメンバーが出てた?

I 出てた、と思うよ。だから、あの。

T 『TESTAMENT(遺言/誓約)』?

I 『TESTAMENT』に出てた人が一人いたので。

T ああ。メンバー+アルファ。

S She She Popってさ、確か男が一人しかいないんだよね?

T うん。

W あ、そうなの?

I ああ、そうなんだ。

T 男一人、女六人の。

S あのグループ。

W 演出家みたいなのがいるの?全員で考える?

T 全員でやってる。あの、割とフェミニスト的作りでずっとやってたらしいんですけど、

I ああ、だからね、なんかね、その、『Schubladen』も、割とこう、ガールズトーク的なところが、

T ガールズトーク(笑)

I 炸裂みたいな。

S おお!ガールズトークなんだ!

T 男女比は?

I あーと、全員女の人。

S (笑)

T あ、全員女の人。

I 全員女の人で、その、えーと、付き合ってた男の話とかするわけですよ。

S カワイイ!

I で、そのとき聞いてたレコードとかっていうのを、かける。

S カワイイ!!

I ま、けっこう、その、何?音楽と、えーと、記憶の結びつきみたいなのが、けっこう一つ

S よく使いますね。

I 裏で流れてて。こう、自分の聞いてた音楽とかっていうのを、みんな紹介していくわけですよ。そうすると面白かったのが、その東ドイツの女の子で、えーとここで知り合ったときに私はこれを聞いてたって言って、レコードかける。で、その次付き合ってた男の子とはこれを聞いてた、その次はこれだったってやるんだけど、全部同じ曲になるっていう。

一同 (笑)

S 他に選択肢が。

I そう

W 選択肢がない。

一同 (笑)

I まあ、だから、その時代その時代のヒット曲みたいなのが背景にあって、で、っていうその構成だったんだけど、

W 一方東ではみたいな。

T そういうのは、でも、こう、40前後ぐらいが、良いポイントかも知れませんね。その、世代としては。

S うん。

I うんうん。

T もうちょっと年が上になっちゃうと、若い人には何だかさっぱり分からなくなっちゃうし、若い人には、ちょっと、語る歴史がそもそも少ないし。

I そこで言ったときに、一つやっぱりその、ベルリンの壁崩壊みたいなところを起点にしてるところがあって。そのときに、あたしは何歳だったってところで。一番若い人で10代後半とかになる。設定というか、キャスティングが。

T まあ、She She Popのメンバーって確かに大体それぐらい。今40前後。多分年かさの人は50手前ぐらい。多分かぶると思う。

I 映画好きな人はどういう人かっていうのを、ちょっとアンケート取ったことがあるんだけど、で、大体ね、映画好きっていう人は映画祭に行く人っていうので、大体一致したの。

S そうなんだ!

W じゃ、俺、映画好きだ。

T 僕も映画好き。

I そうそう(笑)だってさ、普通にさ、そのロードショーの作品ってさ、まあ、映画館に行けば見られるでしょ。だけど、その、わざわざ映画祭に行くっていう、その、閾値みたいな、ここ超えるっていうのが、やっぱりその好きかどうかってところの分かれ目だと。

T なるほど。

I で、あの、じゃあ、これを演劇にしたときにさ、演劇好きな人ってどこ、って言ったときに。じゃあ、演劇祭行くのは好きな人、だよね?

S うん。

I でも、演劇祭に行く人たちって、普通に劇場に行ってる人たちなんじゃないの?って話になるじゃない。

T あまりそこに

I 一緒なんだよね、そこが。

T レベルの差がない?

S なんか、逆に、なんて言うんだろうジャンルが細かく分かれてるような気がする。だから、2.5次元が好きで演劇が好きな人とか、なんかこう、イデオロギー的なことをするのが好きで演劇好きな人とか、が、なんか細かく分かれちゃうから、閾値の設定が難しいんじゃない、かな?

T そうですね、演劇と言ってひとくくりにこう語れない。

W けっこう、今の映画好きって、けっこう、労力の問題かなって。

一同 労力?

W 要するに、映画祭行くっていうのは、その場で逃すと見れない。

I 見れない。そうね。

W その条件で行くと、演劇ってそれと同じだから。

I ああ、常に!

T 常にそれ。

W 常にそれだから。

S 普通に。

W 常にそれが試されてる状態。だから

T だから、演劇好きっていうのは、劇場に行く人だと。当たり前だ!

一同 (笑)

W そうそうそうそう。要するに、映画祭に行くのと、演劇に行くのってけっこうおんなじ、労力は同じ。

T 苦しいですなあ。

S なるほど。

W 映画祭とか、日仏とか、これを逃すと、何年も。いや、もしかしたら一生見れないかもしれない!っていう

I そうそう。

W そういう状況で、こう、映画を見ているわけじゃない。

S (爆笑)

W メモを取りながらさ、なんか、こう、

T なるほど。

I そうそう。

W ね。

I あー、それはそうだ。

T 同じですね。

W 自分の、こう、全、目の運動神経を使ってさ、こう。

S (笑)

I 確かにそうだ。

W こう、全ての目の運動神経の力で、こう、映画を焼き付けようとしてるじゃないですか。

I そうね。そう。

W 芝居って、けっこう、そういう体験度の強さが、ま、映画って結構、もう一回見直したりもできるからさ、けっこうお手軽なものじゃない。やっぱり、こう、時間を合わせて、しかもちょっと高い金を払って、

S そうね。

W ちょっと、つまんなかったり、かもしれなくても、どうしようっていうのと、こう

I (爆笑)

T そうですね、ツタヤ行ってもないですからね。演劇は。

S なるほどね。

W ま、映像で見ちゃうのは、また、違うしね。

S うん、上演じゃないからね。

T これから何を見に行きますか?

I これから?

W これから、リミニと、チェルは見に行こうかな。『地面と床』。それぐらいかな。

I ああ、とりあえずF/Tは、海外ものは見とこうかなって。

T フォースドエンターテインメント見たいですかね。

S 見たい。

I ここもそうだよね。さっきの話(映画好き、演劇好き)じゃないけど、海外ものだと、次いつ見られるか分からない。

一同 (笑)

S そうそうそうそう。

I っていうのが、すごくあるよね。国内だと、再演あるかもしれないしなって。

W 気になってるのは、あの、イプセン演劇祭。地味にやってる。あれの一本目のやつ。えーと、ベルギーだっけ?現代イプセン演劇祭。あ、そのチラシ。俺の都合でこれしか見れないんだけど。これちょっと気になってる。

T 「ベルギーアントワープの劇団・初来日。演出家を置かず、役者間の徹底したディスカッションで芝居を作る」なるほど。

W ま、なんか、ヨーロッパ、ドイツ語圏とか、ベルギーとか、ではよくありがちな体制ではあるけど、まあ、ちょっと見てみたい。

T あ、小野寺修二が、デラシネラ。

S あ、ほんと?

W あと、シアターχで、一番最後にシアターχでやるやつが。

T 南米、チリの、「初来日。アドリブやコンテクストを再現していく手法を使って作品を作る」へえ、や、なんか面白そうですね。

W その一本目のやつは行こうかなあと。

S 『ハンナ・アーレント』見に行かないと、いけないかなって。

W 去年、東京国際映画祭で見て、けっこう、まあ良かった。あと、あれ面白い。今やってる、マルコ・ベロッキオの『眠れる美女』。

I ああ、ベロッキオの。なんか、すごい面白いって話聞いた。イメージフォーラムでやってるやつ。

W あー、まあ、その、ま、安楽死認めるかっていう話。

S お!今!リビングウィル、アツいなあ!

T アツい、テーマだね。

W なんか4・5年ぐらい前にイタリアで、まあイタリアの映画監督なんだけど、マルコ・ベロッキオって、えーと前の作品があれか、えっと、あれ、イタリアの戦時中の独裁者、名前が出てこない。

T ムッソリーニ?

W ムッソリーニ!ムッソリーニの愛人の話だったんだけど、

S へえ。

T ほお。

W ま、いつも社会派的な作品を作る人で、今回は、その、ま4・5年前くらいに、その、安楽死の認めるかどうかの法案をやってて、で、ま、認める方向で、あの、まあ議会が動いて、それと同時に、あの、一人、すごいピックアップされてた、安楽死させるかどうかって女の子がいて、それをめぐる、周辺にいる周辺っていうか、関係する、三つの、登場人物の、物語が同時進行するみたいな。で、その、安楽死法案を通そうとしている、えーと、与党の議員の話で、その議員の奥さん昔安楽死させちゃったことがあって、そんで、その、影響で、娘と確執があって、で、娘さんはそのトラウマで、反対側のちょっとカトリック寄りの、この活動家に入ってて、で、反対運動をして、で、そこで賛成側のリベラル派の男の子とちょっとデキちゃうみたいな。

I えー、面白いな。

S おー。

W あと、それとあと、あの、イザベル・ユペールが

I あ、ユペール出てる?

W ユペール出てる。

I ユペール何語で?

W フランス語?

I フランス語?

W フランス語で、あれ、フランス語だったっけ?で、あの、自分の娘が、あ、で、女優さんだったんだけど、自分の娘がその植物人間になっちゃって、で、自分は、その、彼女は、こう、自分は聖女にならないと、治らないと、こう、思いこんでて。

I あー。

W で、それで、すごい、偉大な女優だった、だったらしいんだけど、それもやめちゃって、ずっと、こう、娘に、あの、介護に尽くしている、で、そのせいで、そこに、その、息子がいるんだけど、息子は俳優志望の男の子で、で、植物人間になってるのが、自分の、要するに妹にあたるんだけど、その妹のせいで、すごい偉大だった女優のお母さんが、あの、役者を辞めちゃったことがちょっと許せない。

S うーん。

T なるほど。

W で、お父さんも、役者らしいんだけど、お父さんは、そんな大した役者じゃなくて、しかも浮気とかしてる。

I (笑)

W ような男だから、それも許せなくて、だからこそ、むしろこう妹が死んでほしいと。

一同 うーん。

W あと何の話だっけ、あと、こう、自殺願望のある、えーと、ちょっとこう、窃盗とかはたらく、女が、こう、病院に送られて来ちゃって、で、その、病室で何度も自殺を試みようとするんだけど、その主治医が、あの、止めようとして、何としても君は生きなさいって説得するっていう。その三つが同時に進行する。すげえ面白い。

T いやあ、これは面白そうですね。来週いっぱい

W イメージフォーラムで

T しかやってないんですね。

S やばい、これは行きたい。これはちょっと行きたい

T これはやばい。金曜日までしかやってない。

S なんか、リビングウィル、すごい、途端にアツくなってきちゃって、どうしちゃったんだろうって。

W 去年、『ハンナ・アーレント』とそれ見て、両方とも当たりだった。

一同 おおお。

W ベロッキオは、その一個前のムッソリーニも面白い。なんか、聞いた話によると、その、愛人の方の女優さんはピーター・ブルックのところで修業した人で、で、男優のムッソリーニ役の人は、あの、ピッポ・デルボーノのところで修業した人らしい。

S ひいいっ!

W だから、ちょうど、ピッポ・デルボーノが来れなくなっちゃって、ピーター・ブルックが来たことあったから、なんかそこ仲良いのかなって。

I へええ。面白い!

S あ、仲良いんだ!

W 多分、なんか、つながりがあるんだろうって。

I へええ!

W けっこう、芝居見ると全然違うのにって。

I そこが、ベロッキオでつながるところがちょっと面白い!

W どうなんだろう、多分たまたまなのかもしれないけど、二人とも、なんか。

一同 へええ。

W かたや、ブルックで修業した女優、かたや、ピッポのところで、てゆーか、ピッポのところで修業できるのか?っていう。

S 修業できるのか(笑)

W 俺がみたとき、ただの精神病者とかが、こう、

S うんうんうんうん。

W 物乞いの人とか、ちょっとこう、薬物中毒の男とかが、ミュージシャンとかが。

I ああ。

W 面白かったけど。デルボーノのスタッフと話したときに、なんかその二週間ぐらい前の、フランスのカンパニーに「あ、ピッポ来るの?」って、うちらの十倍大変だよって。

一同 (笑)

W そしたら、本当に十倍大変で、

一同 (笑)

S ホントに十倍(笑)

W で、俺、音響だったけど、その、座付のミュージシャンに、うちらのカンパニーはすごく大変だけど、で、変だと思うけど、イタリアの劇団がみんなこうだと思わないでくれって(笑)

一同 (笑)

W だいじょぶ、言われなくても分かるからって。

T どういうフォローだよ。

一同 (笑)

W みんなこうだったら、俺絶対イタリア行かない。行きたくない。

S (爆笑)

W けっこう面白かった。また来てくれないかな。

S よく静岡来ませんっけ?

W いや、まだ一回しか来てない。

S あれ、そうだっけ?

W 一昨年

I ああ。

S あ、利賀か。

W 2011年に来る予定だったんだけど、あんときは、病気で、来れなかった。で、なぜか、ピンチヒッターとしてピーター・ブルック

S ピーター・ブルックの

W カンパニーが来た。

S そうだったね、

W あれも、いっちゃってた。あんまり、こう***とかでは買えないような、とがった感じの。

I 確かにそうだった。

W こう、女優さんが一人で、ずっと老荘思想とかを。

I そうそうそうそう。

T へえ。

W 宇宙いっちゃってるなあ、これって。

S あれでしょう、あの、ドイツ語でやってたやつでしょう。

W ブルックのあの東洋思想かぶれはなんなんですかね?

S オリエンタリズムじゃないの?

W なんか、無とか、そういうのに、こう。

I そう、無とかね。

T うーん。

W そういうところに共感するのかな?何もない空間。

I ああ。

S なんか、でも、あの世代はそういうのが流行ったんじゃない?

W まあ、それもあるよね。ヒッピー風的なところも

S ヒッピー風的な(笑)

W あるのかもしれない(笑)